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日本酒は世界をおいしくする

金紋秋田酒造株式会社
昭和48年、近郷の蔵元と卸売業者により創業された金紋秋田酒造株式会社(秋田県大仙市)。古酒に新しい可能性を信じて長年にわたり取り組み、2009年、熟成古酒「山吹1995」が国際ワインコンテストIWC(インターナショナルワインチャレンジ)日本酒部門で最高賞のチャンピオンサケを受賞するなど、そのこだわりの商品は海外でも注目されている。代表取締役社長の佐々木孝氏に海外展開について伺った。

海外展開に取り組んだ経緯についてお聞かせください

 金紋秋田酒造の商品構成は熟成酒(古酒)が中心です。この熟成酒はワイン的な要素があり、食事と一緒にワインを飲む文化に合うのではないかと考えました。さらに日本酒には本来持っているパワーである「うまみ」があります。例えば、同じチーズを食べたとしてもワインと日本酒それぞれで異なる味が楽しめるという感想を聞いたことがあります。この「うまみ」を世界に発信したいと考えました。

 日本酒は日本国内の食卓だけでは需要が小さくなっているところですが、2009年にIWCのChampion Sakeを受賞したことをきっかけに、ワイン文化のある海外市場で戦えると確信しました。「うまみ」、これを生かすことが日本酒の活性化につながると考えています。

金紋秋田酒造株式会社の写真1

どんな課題があり、どのように対処しましたか。また、なにがキーポイントとなりましたか

 価格設定と輸出に関わる事務手続き、これらは初めてのことでした。独自での輸出の際は事務手続き、配送手配、その他にとても時間がかかりました。価格については単に高い安いではなく、当社のこの日本酒はこの価格で適正だ、という価値観をもってもらうという姿勢を貫いています。また、よく言葉の壁といいますが、当社の場合はたまたま相手が日本語ができたり、スタッフに日本人がいたりと、幸いなことに日本語でほぼ足りているので言葉は課題にはなりませんでした。

 キーポイントは、良いディストリビューターと出会うこと。当社はまずタイから始めました。今から1年半くらい前、たまたまきっかけを作ってくれた人がいたことで取り組み始めました。ただ、結果的にタイへ輸出したのはつい最近で、時間がかかりました。その他の国は現在、フランス、イギリス、スペイン、スウェーデン、韓国、台湾、中国、オーストラリアに輸出しています。どれも偶然の出会いなどによって取引につながっています。例えば、あるチーズ輸入販売会社の社長の娘さんが銀座のバーで当社の「X3」という商品を飲んだ際に「これはチーズに合う」と感じたということで、直接当社にお問合せの連絡をいただきました。その後「SIAL」(パリで隔年開催される国際食品見本市)にて、その会社の取引先であるイタリアのチーズメーカーのブースに当社の商品も陳列してもらえることになり、それがフランス進出のきっかけとなりました。

金紋秋田酒造株式会社の写真2

活用した支援施策や関係機関への要望をお聞かせ下さい

 国や秋田県の補助金(海外新拠点開設支援事業補助金)を活用させていただき、助かりました。

 展示会(物産展)はお客さんが大勢来て、その場ではおいしいといいますが、ビジネスにはあまりつながらないと感じています。口コミの紹介が一番と実感しています。

金紋秋田酒造株式会社の写真3

今後の展望をお聞かせ下さい

 海外取引に本格的に取り組んでから1年半くらいになります。この1年は海外出張も頻繁にこなしてかなり精力的に動きました。その結果、今の取引先とは良いコミュニケーションが取れていますので、当面はこれら取引先への対応をより深いものにしていきたいと思います。もちろん、新しい取引先でも当社に関心をもって来てくれる人は拒むことはなく大事にしていきたい。当社としては引き続き海外市場への取り組みを強化し、売り上げに占める割合を20%くらいにしたいと考えています。

海外展開のポイント

海外市場開拓をするのなら腰を据えて取り組む決意が必要です。買ってくれるのなら売ります、という受身のスタンスではなく、自分の哲学、ポリシーをもって取り組まないと続かないと考えます。最近の日本酒輸出を「ブーム」とは捉えたくないですし、日本酒は海外でも勝負できると信じています。「日本酒は世界をおいしくする」というのが私の哲学です。

金紋秋田酒造株式会社

〒014-1412 秋田県大仙市藤木字西八圭34-2
電話:0120-65-3560 (月~金10:00~17:00)
http://www.kinmon-kosyu.com
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